少年・大和が手にした花は、エナメル質な葉が特徴の、アンスリウム。
ハート型で赤く染まった葉の中心に突き出た淡黄色の棒のようなものから、直後、火が吹き出した。
「!!」
驚きをベンチに置き去りにして、俺は大きく横へ跳んだ。
一瞬で、巨人のげんこつが通り過ぎたようにベンチが焼き砕かれる。
バキバキと硬い音をあげて砕け散ったベンチとともに、大和の花も砂と化した。
「ずいっぶんなごあいさつだな、お前」
側転の着地からゆっくり立ち上がり、プレッシャーを放つも、大和の笑みは陰らない。
コイツ……言葉ばかりじゃなく、そもそも人を殺すのに躊躇はないらしい。
目的のためには手段を選ばないタチか……。
「俺は初対面だし、なんでお前に殺されにゃなんねんだ?」
問うと、大和はこればっかりはと素直に答える。
「それはもちろん、アナタの花を摘むために」
「花?」
なんの比喩かと思う間に、大和の手にはまた新しい花が一瞬で。
今度は、まるでタンポポの綿毛が紫の棘に変質したような花――ルリタマアザミ。
ハート型で赤く染まった葉の中心に突き出た淡黄色の棒のようなものから、直後、火が吹き出した。
「!!」
驚きをベンチに置き去りにして、俺は大きく横へ跳んだ。
一瞬で、巨人のげんこつが通り過ぎたようにベンチが焼き砕かれる。
バキバキと硬い音をあげて砕け散ったベンチとともに、大和の花も砂と化した。
「ずいっぶんなごあいさつだな、お前」
側転の着地からゆっくり立ち上がり、プレッシャーを放つも、大和の笑みは陰らない。
コイツ……言葉ばかりじゃなく、そもそも人を殺すのに躊躇はないらしい。
目的のためには手段を選ばないタチか……。
「俺は初対面だし、なんでお前に殺されにゃなんねんだ?」
問うと、大和はこればっかりはと素直に答える。
「それはもちろん、アナタの花を摘むために」
「花?」
なんの比喩かと思う間に、大和の手にはまた新しい花が一瞬で。
今度は、まるでタンポポの綿毛が紫の棘に変質したような花――ルリタマアザミ。

