瞬間、

「おっ!?」

四方八方から、見上げんばかりの長大な白光の鞭が、草薙へ殺到した。

俺の立っている場所だけを綺麗に避け、鞭は振り下ろされる。

草薙の炎を、その怒濤に飲み込んで。

爆音とともに、俺の家が半分、ぶっ潰された。

砂煙が立ちのぼり、まるで断崖のように、目前の景色がなくなっている。

「や……った、か?」

魔法は発動中だ。足元に形成されている魔法陣からは、まだ出ることはできない。

状況を確認するにしても、舞い上がる砂塵の中へ、目を凝らすしかない。

そして――

「なっ!? じょ、っ、冗談だろ……!?」

俺は、まったく無傷の草薙仁を、目にすることとなった。