異種キャラクターバトル

「なにも用がないのなら、即刻に出ていけ。お前は災厄を招く!」

なかば冤罪を押し付けてやろうとしたが、

「ふん。俺からしたら、平穏な日常に呪いを吹っ掛けてきたお前のほうが災厄だ」

「っ、言ってくれるじゃねぇか……っ」

草薙は、あくまで飄々したものだった。

魔法陣が俺を守ってくれるのだから、逆に、動くわけにもいかない。

この場に留まって、ヤツを返り討ちにする方法……それがベストだ。

どうする桜沢悠人――考えろ、考えるんだ。俺には、魔導師と錬金術師の血が流れているのだから。

「さて――まったくもって根本的なことを言っておくが」

とその時、草薙の右手が、持ち上げられた。

煙草の赤が、宙を縦に走る。

「喧嘩を吹っ掛けてきたのは、お前だ」

そして瞬間、

 ウリエル
「 炎 」

「!?」

炎の暴風が直線、俺へ撃ち出された。

魔法陣による『神殿』の障壁が、それを受け止める。

しかし、四方に据えた支柱が、カタカタと地震に見舞われるように、揺れる。

結界を破壊するほどの、炎か……っ。

このままだと、じり貧でやられる。