草薙が、くわえていた煙草を指に挟んだ。くわえていただけで、吸った様子がない。
なにかの……準備か? 相手は俺と同じ魔法使い……なにを『種』するか、わからない。
自然、やや前傾で、身構えていた。
「っく、はは、与太者だな」
と、草薙が笑う。
「正義感か、使命感か、俺には関係ないね。だから命令される筋合いもない」
「今すぐ去る気はないのか?」
「生憎な。強制されるのは嫌いだ。はっ」
彼女に二十年も生きていない俺は、どう見えているかわからないが、それにはムカついた。
ムカついたというのに、今、即興で打つ手がない。
「この町でなにかをするつもりか?」
「さあな。仮にそうだとして、魔法使いが自らの研究を明かすと思うか?」
魔法陣は欠けたまま……目の前に〝千約〟……呪いは通じないだろう。
こちらの手管は、ローブでの身体強化と……そのポケットに入っている簡易魔法の発動を補助する薬程度だ……。
なにかの……準備か? 相手は俺と同じ魔法使い……なにを『種』するか、わからない。
自然、やや前傾で、身構えていた。
「っく、はは、与太者だな」
と、草薙が笑う。
「正義感か、使命感か、俺には関係ないね。だから命令される筋合いもない」
「今すぐ去る気はないのか?」
「生憎な。強制されるのは嫌いだ。はっ」
彼女に二十年も生きていない俺は、どう見えているかわからないが、それにはムカついた。
ムカついたというのに、今、即興で打つ手がない。
「この町でなにかをするつもりか?」
「さあな。仮にそうだとして、魔法使いが自らの研究を明かすと思うか?」
魔法陣は欠けたまま……目の前に〝千約〟……呪いは通じないだろう。
こちらの手管は、ローブでの身体強化と……そのポケットに入っている簡易魔法の発動を補助する薬程度だ……。

