異種キャラクターバトル

シャーリーが、夜の中へ鋭く溶け込んでいく。

それを見送り、俺は自宅へと急行した。その屋根に着地し、勢いよく、杖を突き立てる。

「我、桜沢悠人が命じる! 魔法陣展開!!」

刹那、町中にペイントされた古代アラビア文字が、白光を浮かばせる。

が、

「! 円形になってない……くそっ!!」

草薙の侵食は速い。

すでに、見えるだけでも円を描くライン三ヶ所、途切れていた。

魔法陣は、そもそも円が基本だ。正円形自体に力があり、これが魔法使いを守る。

俺が、円を描き損なうなんてない。

草薙仁の、侵食のせいだった。

ヤツは『狭間』から一瞬だけこの世界へ干渉し、魔法陣の回線をバラせばいい。

こちらの攻撃の手が、止められた。

(落ち着け悠人……まだ手はある……!!)

そう。落ち着くんだ。こちらから仕掛けたにせよ、相手は『有名になってしまった』魔法使い……必ず仕返してくるのは目に見えていた。

なら、対処できる。

できるはずだ。

シャーリーが魔法陣を修復すればよし。それでなくても、手はあるはず!