あっという間に滑り降りてしまうと、ナツキくんはまたすぐに階段を上がっていく。

「おねえちゃん、もういっかーい!」

「はぁ~い!」

私も元気良く返事して、ナツキくんを追いかける。

そのうち滑り台からアスレチックの方に移動して、軽く追いかけっこになる。

吊るされたタイヤの上を、渡されたロープに掴まって渡っていったり、ネットの上をフラフラ歩いていったり。

結構大変だけど……

でも、童心に返ったみたいにはしゃいでいると、凄く楽しい。


「すみませんマユさん。つき合わせてしまって」

いつの間にかハルヒコくんがすぐ傍にいて、私を見下ろしていた。

「いえ、凄く楽しいですよ!」

そう言って笑ったら。

ハルヒコくんが。

少しだけ、微笑んでくれた……。


ドクン!


ヤバいくらいに跳ね上がる心臓。

ああ……あの天気予報を聞いて笑った時以来となる、柔らかな微笑み。

鋭い瞳が細められて、無表情の時からは想像も出来ない、優しい顔になるの。

……駄目だ。トキメキ過ぎて、心臓が壊れそう……。