呆けた顔でユカリさんを眺める私の顔が、よほど間抜けだったのか……ユカリさんはクスリと笑った。

「でもホント、意外だったわね。ハルが貴女みたいな人と付き合うなんて」

「えっ、いえ、あの、付き合ってませんが……」

「あら、そうなの? 私てっきり……。そう、あら、ごめんなさいね。この間、失礼な目で見ちゃったわ」

「あ、いえ……」

「全然ハルの好みじゃないのに、意外だわ、なんて思ってしまって」

グサリ、とナイフで頭頂部を刺されたような思いがした。

はっきり言うなあ……。

ちょっと傷ついたかも……。

「ハルの彼女といえば、みんな綺麗な子たちばかりだったから。貴女、遊ばれてるんじゃないかと思って憐れんでしまったの。でも違ったならごめんなさい」

にっこりと優しい笑顔を見せるユカリさん。

でも、言葉がナイフみたいに鋭い……。

「うふふ、ごめんなさいね、貴女はかわいいんだけど、ハルの好みではないっていう意味なの。そんな顔しないで?」

ポン、と頭に手を乗せられる。

ふわりと、甘い香りが漂った。

私とは違う、大人の、香り……。