何か隠してるんだ。

それはきっと、ハルヒコくんとユカリさんの関係……だよね。


ギュッとグラスを握り締めると、ニコッと笑って顔を上げた。


「もう~タカさん! 私これ以上大きくなれませんから! 食べ過ぎたら太るだけですよ~」


せっかくタカさんが気を使ってくれているのに、悲しい顔なんて出来ない。

私は精一杯明るい声で、そう言った。

「じゃあ違うところを……」

「違うところ?」

「ここだよ、ここ」

首を傾げたら、タカさんが自分の胸の辺りで両手をヒラヒラさせ、妖しく笑った。

「もう~、それってセクハラじゃないですかー!」

ぱしっとタカさんのプニプニ二の腕を叩く。


それを無表情でジッと見ていたハルヒコくんに、肩をすくめながら笑ってみせた。

そうしたら、ハルヒコくんも少しだけ笑ってくれた。


──それだけで、落ち込んでいた気持ちがふわっと浮き上がるの。

それだけで、ちょっと幸せ。

だから……気にしないように、しよう……。