「ハルヒコくんの歌声聞いてたら、なんだか気持ちよくなっちゃって……。昨日寝てなかったからかな? えへへ」

「気持ちよくって……あんな爆音の中で?」

眉を顰めながら、ハルカが言う。

「確かにマユが倒れたのはバラードの時だけど……なぁ?」

ナオちゃんがハルカに視線を送ると、2人同時に首を傾げた。

「え、気持ちよくなかった? 私、海の中のクラゲになった気分だったよ。それでね、あったか~い南の海に包まれて、ふわふわ~って揺れてたの」

「プッ、面白い感性してんな、お嬢ちゃん」

突然、ハルカの後ろからタカさんが現れる。

「ギャー! タカ!」

ナオちゃんは真っ赤になって硬直してる。

ハルカはペコリと頭を下げた。

「目が覚めたみたいで良かった。ハルカちゃんとナオちゃんを打ち上げに誘いに来たんだが……」

「えええ! いいんスか!?」

「おう。女の子がいるとヤツラも喜ぶしな」

「ギャー、ありがとうございます! 是非参加させてくださいっ!」

ナオちゃんは大喜びで返事をする。でもハルカはちょっと戸惑っているみたい。