「桜…?」
「…せ、先生は…優しくて、良い先生だよ…。
掛ける言葉も優しくて…でも、たまにほんの少しだけ意地悪言って…。
…ほわほわしてて…温かい先生だよ…。」
…私…何いってんだろ…。バカみたい。
何とも思ってないのに、何でこんな肯定的な言葉がスラスラ出てくるの…。
頭真っ白で、何も考えてないのに…。
気付いたら、止められなくなってた…。
「桜…?お前どした?」
「…ごめん。」
「いや、別に謝んなくて良いんだけど…。」
「うん…ごめん…。」
頭が真っ白すぎて、これくらいしか言葉が出てこない…。
…今は、流れる沈黙がすごく気まずい。
何で、私あんなこと言っちゃったんだろ…。
おかしな人決定だよ…ね。
「…な、なぁ、桜…」
「はい、そこまでっ。」
楓君の言葉を遮り、誰かの声が静かな保健室に響いた。
…この声。
この声…まぎれもなく…。
榎本先生の声だ。



