「諦めんのに時間かかると思うけど。

これからは男友達の親友として、でも良いか?」

「…うん……もちろん…。」

「良かった。これからは、いろんな相談にも乗るし、気遣わないでやってこーぜ。な?

…だけど、桜の事は守るから。」



楓君は、どこまでいい人何だろう。

…ただでさえも悲しいのに、こんなにも私を気遣ってくれる。


…ありがとう……本当に…


「…ありがとう…」


嬉し涙が出た。
この関係をずっと保っていきたいと思った。

……大切にしようって思った。


「…泣くなよ、ったく。…泣きてぇのこっちだってのに。」


楓君は私の頭を撫でながら、笑った。

楓君…やっと笑ってくれた。



「よしっ!!坂咲のこと保健室まで連れて行くか。」

「うん。そうだね。」



めいちゃんとか他の女子に、たくさん最低なことされたけど、私別に恨んでなんかない。


恨んだ所で何も変わらないからね。


また嫌なことされても我慢すればいい。
江梨子や楓君に相談すればいい。
日向に…相談すればいい。


私には、強い味方がいるから。


楓君はめいちゃんの腰に自分のセーターをまいておぶった。


……優しいよね、本当に…。


…細かい所まで気をつかってる。





「楓君は温かい人だね。」

「そうか?自覚したことねぇけど。
…まぁ、サンキュな。」



私が笑顔でこたえると、楓君もつられて笑顔になる。


…今は、お互い心から笑いあえて嬉しい。