ホームまで来たはいいけど、さっきまでは宗ちゃんが支えてくれてたから立ててた。


一人で立ってるのは、とてもツラくて周りを見ればあまり人もいなくて。


目立つこともないか、と。その場に、しゃがみ込んだ。


「はぁ……」


全然、楽になれない。時計を見れば、まだ電車は来ない。


もうちょっと…もうちょっとだけガンバレ、わたし。


そう自分にカツを入れた時だったーー。


「おい、大丈夫か?」


心地よい低音ボイスが、耳元で聞こえてきて。


顔を見なくても、もちろん〝男性〟だとわかる。