君と星空の彼方

ムルは2階に着くと、1度私を軽く振り返って見て、右へと進む。


部屋が向かい合わせにいくつも奥まであった。


しばらく部屋の扉を横切る状態が続く。

ずんずんと進んで行くけど、ムルは止まる気配なし…
遠すぎじゃない?

何mも歩いた気がして、後ろを振り返ると階段があった場所が少し見えた。

かなり奥、だよ…?あれ…?





ついには最後の部屋の扉を横切り終わって、大きな扉が突き当たりの壁となって私達を強制的に止まらせた。
「ムル……ここではないんでしょ?」

目の前には、理事長先生の理事長室の扉と良い勝負のでっかい扉。


灰色で、これまた奇妙な文字が縁取られてるように書かれている。




「ええ。現にホシノ様の部屋は早々に通り過ぎましたし」

あ…ちょ、ちょっと安心した。さすがにここは嫌だ、し…ね。


「この目の前の扉は、寮生と決まった生徒が、初めて寮に来た時に立ち寄らなければいけない所でございます…ミズキ様、夜月様、セイヤ様。


あなた方なら経験済みですし、分かるでしょう?



自室にお戻りくださいませ」

ムルは私の後ろにいた3人に微笑みながら告げた。

「えー!私はいいでしょ?
どうせホシノと同じ部屋だもん!」

ミズキがほおを少赤くさせながらムルに抗議する。

あ、そうなの?


ミズキが一緒なら安心だし、素直に嬉しいや。




「俺らは帰ろっか、夜月、
人によっては何時間もかかるらしいし」

セイヤが諦めたようにつぶやく。



「えー!セイヤは1時間ぐらい、ミズキは2時間だけど俺はたったの10分だよ?

平均しても1時間……あ、やっぱ帰ろっか」




……夜月は待つという行為が嫌いなのかな。いや、セイヤの方が嫌そう。

ミズキも1時間って聞いて悩み出したし、みんなには帰ってもらった方がいいかも。

てゆうか、

「ムル……何やるんですかね?」

何時間もかかるって…ちょっと寒気して来たんだけど。

けどムルはさりげなーく私を無視して、

「ミズキ様。今から行う事によっては、同室とも限りません。

峯浦先生も、そこは承知の上であなたに寮では同室かもしれないと話したのでしょう」




ミズキはムルの言葉に言い返せないのか、渋々うなずいていた。



ミズキは前々に私が寮生になるって事を聞いてたらしいけど、その時に同室かもって事は聞いてたんだね。
だから知ってたのか。納得。


てゆうか、ムルは質問に答えないし誰も教えてくれないし、色々怖いんですけどっ⁉︎


「大丈夫です、ホシノ様。


そんな心配しなくても、ホシノ様ならなんとかやっていけるでしょう。ホシノ様、なら」




……なんか嫌味っぽく言わなかった?この腹黒男め。
私をなんだと思ってるんだ!



そういえばセイヤはさりげなくムルの事をムルさんって言ってたなぁ。



もしや、呼び捨てだから私に対しての対応が普通より変だとか⁉︎


「小さい…器が小さすぎる……」

「ホシノ様、それは誰のことでございましょう?」