君と星空の彼方

そう言うと先生は


「あぁ。早くこの冊子が必要ないようになるといいな」

と言って、微笑んだ。

爽やかな笑顔は、ムルとは違いそうだ…


峯浦先生は、れっきとした爽やか先生だったよ。



「あ…言い忘れた、室月」


席に戻ろうとした私を、先生が呼び止める。


「この後の1時間目は、歴史なんだ。
けど、今日は『月曜日』だから、普通の歴史とはちょっと違ってな…」


峯浦先生は頭をかきながら困ったような顔で言う。


「なんせこの学園は普通とはかなり違いすぎて、どこから説明すればいいのか分からないな…

あ、ミズキ!ちょっといいか?」


近くにいたミズキちゃんを先生は呼ぶ。

後ろを振り返ると、ミズキちゃんが不思議そうな顔で先生を見ていた。

「何ですか、先生」

「あー…ちょっと頼み事があるんだ。
室月はまだこの学園に慣れていないだろ?

だからしばらく、面倒を見てやってくれないか」


先生は生徒相手だと思えない程低姿勢でミズキちゃんに頼んでた。


先生が、そんなんでいいのか…?

でも、ミズキちゃんもかわいそうに。

こんな面倒くさい役、やりたくないだろうな。

もし私がミズキちゃんの立場だったらさりげなく断って…


「いいですよ!いや、ぜひ!ぜひやらせてください!」


へ?


「お、そうか。ミズキならやってくれると思ってたよ。
じゃ、頼むな。なんせ室月は普通の中学出身なんだよ」


峯浦先生の言葉に、ミズキちゃんは目を大きくして私を見た。


「え……ホシノちゃん、普通の中学校からだったの⁉︎

……そりゃ、何も知らないに決まってるかぁ…」


よく分からないけど、ミズキちゃんがため息をつく。

あぁ、やっぱ面倒くさい役を引き受けてしまったのだと思ってるんだろうな。