君と星空の彼方

「……目を覚ましたらお前来ないし、どうしたのかと思った」


突然話しかけられた。


けど…この声は、聞いたことがある。


そんなわけない、高望みはやめよう。




「絶対安静とか言われたけど、まる1日寝て病院抜け出して来た」

けど……



けど……この、声は。確かに…



「ブレスレット、落とすなよ。汚れるぞ?」



そう言って拾い上げて、私の前に差し出す男の人。



手を前に出し、早く、と少しその手を動かしながら急かして来る。



「………久しぶり」



サラサラの黒い髪。


スラリと伸びる細い体。


けれど少しゴツゴツした男らしい、暖かい手。


…間違い、ない。



彼は…


「セイヤ……!」




思わず抱きつく。

これは夢?なら覚めて。


起きて悲しくなるのはもう嫌。


何度もセイヤの夢を見た。

けど、全部夢なんだ。

また夢なら…もうそろそろ、私は心が壊れるよ。


けど…温もりを感じる、匂いがする、あなたの声がしっかりと私の耳に響くの。


寝ていたあなたからは感じなかったいろいろなことが、私の体が感じてるの。




今までの夢と、違う…。



座り込んだまま抱き合う私たち。




「……ごめん」


「ほ、本当、バカ!

なに…なに、待たせてんのよおぉ〜っ…」



あぁ、素直になれない。

「嬉しい」とか「ずっと待ってた」とか言いたいのに。



けどね、きっと嫌でも伝わってる。




涙はさっきまでよりも次々と流れて、私の声までも巻き込んでいったから。