ドンっ!と人とぶつかる。



あぁ、もう嫌…



「ごめんなさい…」

「いえ」


そう言って振り向いた男の人は

黒い髪の毛で、背が高くって…


っ、まさか…!


「セイヤ⁉︎」


「…?あの…」



ひ、人違い…!


「あ、すいません!」



謝るとすぐ許してもらえた。


「彼氏サンと間違えたのかな?」


そう言った男の人…


違うの、思いでさえまだ伝えてない…永遠に片思いの相手です。



いや、もう分かってるの。


彼が、目を二度と開かないってことぐらい。




……信じたくないの、ただ。




「…いつまで寝てんのよ、バカ」



そう言えば初めて話した時…セイヤは寝た直後だった。


彼の寝顔は、変わらない。



ただ栄養剤とかを今でも流しているせいか、すくすくと身長は伸びてる。


キナリの技術はすごい…うん。




あの後、牢獄に10年近くいた先代の大神、神たちは今の神になり、

キナリを統治している。

記憶操作されていたらしいけど、頑張れば解けるレベルのものだったらしい。


……ゆりは、掟のせいで負った強い記憶操作だから、


頑張っても解けなかったけどね…


でも、ゆりともとても仲良くやれてる。


あの後…とても謝られた。もちろん、許すよ!
神たちに操られてただけだしね。




私のお父さんである大神はお母さんと共に消えたけれど、

神たちは、なんと…獣剣学園の生徒会に倒され、今は牢獄へ。


権力を使って色々無茶ぶりを犯していたことがバレてしまったらしい。



獣剣学園と私たち宙橋学園は、

星使いと幻獣使いの一族が仲良くなるにつれ、自然と溝が埋まっていった。



慌ただしく流れて行ったこの1年間…




混乱していた民も、最近になるとみんな受け入れ始めて来た。




そして現・神たちや王族から、助けてくれたお礼に、なんでも願いを叶えてあげようと言われた。


そこで私は…こう言った。



『人の自由を尊重しないような、人を束縛するような掟を廃止してください』


そのせいなのか。いや、絶対そのせいですけど…


…今では、近くにバカップルがいます。


モデルに余裕になれる美女と、メガネの下は超イケメン&恐ろしい男性…2人の大好きな先輩です。



先輩たちは卒業し、もうキナリで働き始めています。