「い、いや、絶対!

あんたみたいな、世界征服するんだー!とか幼稚じみたヤツのところに行かない!」


「幼稚じみた、ねぇ…その幼稚さが叶うことは素晴らしいじゃないか」



「素晴らしいわけない!あんたのバカバカしい願いのせいで、何人の能力者が力を失うのよ‼︎

ちょっとは人の気持ちを考えて‼︎」




私の言葉に、大神は目を細めた。

何かを思い出すように、ふと優しい表情に戻った。

我に返るように、ぶるっと首をすぐに振ったけど…

今、確かに優しい顔をした…?



「やはり『彼女』に、君は似ているな。

ああ言えばこう言う、サバサバしてるようで正義感は強くって、人のためなら自分を犠牲にしてもいいような、そんな人だ」


あざ笑うように言ったその顔は、なんか悲しそうだった。


彼は誰を思い出して…誰を、私と重ねてる?



「そんなことはどうでもいいか。

ホシノ、もう1度言おう…君が僕の元へ来たら、君の仲間を助けてあげよう」



‼︎
そ、それって卑怯だ…!



「考えてみてくれ。君が僕の元へ来るだけで、君の仲間は助かり、負わなくてもいい傷を負うことなく、能力者としてこれからの人生を楽しめるんだ。

それに、僕と一緒にいたら、彼らの活躍を上から見れるだろう?」