彼の問いかけにも答えられない。

ただ、心の中で、『最低』とつぶやく。




「僕たちが流している情報では、まるで能力者たちを殺している、と言っているけど。

本当は違う、地球やキナリの能力者一族は殺してなんかいない…捕えて、この城の地下牢獄に入れ、能力の力を吸い取ってるんだ。

完璧に力を吸い取ったら、僕たち神がそれを取り込み…さらなる力を手に入れられるんだ」




そう言うと大神は、私たちを舐めるようにじっとりとした目で見つめてきた。

その紫色の目には、なんとも言えない恐怖が滲み出るようで…



「…けどね、君たちは放っておけない。

力を吸い取りたいのは山々だが、牢獄に入れたら脱出できかねない…バケモノもいるしね」



久しぶりだね、と笑顔で言う大神。

ムルは後ろにいるから…表情は分からない。




「だからね、政府上層部で決めたんだよ。

君たちを…殺す気で、迎えてあげようってね」




そう言うと彼は、手をスッと横に振った。





「クラッシュ‼︎」




この声は…ムルの声⁉︎

なんで、口も動かないはずじゃ…‼︎



…って、あれ、体が動く⁉︎



慌てて見渡すと…みんなが、いなかった。


え…ここ、どこ?