君と星空の彼方

「僕はあなたを知りません。

ですが、先輩方の大切な人だということは、強く分かりました」


綺麗な瞳をユリに向け、静かに言う。



「先輩方なら戸惑うことも…僕には、少ししか戸惑いは感じられません!

先輩方を傷付けるようなこと、絶対にさせませんから!」



ユウ…!


彼の強い瞳に押し負けたように、ユリは、うっ、と後ずさった。


音の力に、怯えてるのかもしれない。



「…私はね、記憶が欲しいの。

思い出せないの、何度も何度も大神様に言った、記憶が欲しいと…!

でも、無理だと、そう言われたの‼︎」



髪を振り乱して、私たちでなく…まるで自分自身に言うかのようにユリは叫んだ。


そして、私たちはそのユリの姿に目を疑った。



「やっと…やっと、大神様に言われたのに!

あなたたちを倒せば返してくれると!そう言われたの!


その代わりに、また記憶が消えた!


私には、名前と攻撃の仕方と言葉しか覚えてないの‼︎」



そう叫ぶユリの心情を表すかのように…

彼女の翼は、白銀から漆黒の闇へと、根元から徐々に徐々に変わっていた…




「だから、私は‼︎

ここであなたたちを倒す以外、生きる術がないのっ‼︎‼︎」




そう叫び終わったと同時に、彼女の翼は…先の方までピッタリ漆黒の色となる。

私たちを見つめる目は、真っ黒で感情が読み取れない。


…そうに決まってる、だってユリは今…ほとんどの記憶がないのだから。



私たちとまた新たな友達になったことさえも覚えていないの。




もしユリが私達を倒したとしても…

記憶を取り戻したユリは、絶対に後悔する…



なんで…なんで、ユリがこんなことに…!



「いってっ‼︎」