君と星空の彼方

「はぁっ…はぁっ…」


「大丈夫か、ホシノ?」


「うん、大丈夫…」



あの北アメリカの神のせいで…大分疲れた。

体力を回復させようと、少し壁にもたれかかる。



けど、休んでいる時間なんてない。

扉の奥は…延々と、長い廊下があるだけだった。



「…扉が、ありますね」


いつも通りのムルが言った。

目の前には、大きな扉が。



「…開けましょう」



そう言って開けると…そこは、またもや大広間。

さっきより暗くって、目がそんなに慣れない…全然、前見れないし。


なんとか人影がある、ってことぐらい。




「…敵を確認しました。

これより、戦闘を行います……」



「え…⁉︎今の機械の声、なに⁉︎」


まるでロボットのような声が聞こえたんだけど…!



_カツ、カツ、カツ…



靴の音が…近づいてくる。



_カツ、カツ、カツ、カツ…



どんどん、早くなる…?



_カツ、カツ、カッカッカッカッ…



気付いた時には、前方から黒い影が迫ってくる!



「ライト!」


イリヤ先輩の声と同時に、辺りが明るくなる。


すると前方奥には、ある少女が私たちの方へと走って来ていた。



……私は、その子を知っていた。



「…ユリ…!」



黒髪をなびかせながら走ってくるユリ。

そのまま、マナミ先輩の元へと走ってくる!


「マナミ、危ない!」


イリヤ先輩がギリギリのところで、攻撃をしたユリからマナミ先輩を守る。




「…なんで、ユリがいるのぉ…」


ミズキのか弱い声。



……ユリ、なんで…⁉︎



ユリは黒い服を着ながら、無表情で…ただマナミ先輩だけを見ている。


彼女の目は、黒くて…感情なんて、こもってない目だった。


美しい人形のような彼女だけど…本当に、操られている人形のようで。



「君は、ユリさんか!なぜ、ここに!」


イリヤ先輩の必死な声が響く…きっと、ユリのことを知っていたのだろう。



「…邪魔、あなた。
私は今のターゲットがこの子になってるの」


そう無機質に言って彼女が指さす先は、怯えるマナミ先輩。


「あぁ、ユリ…」と小さく言いながら震えるマナミ先輩を、イリヤ先輩が優しく抱きしめていた。