「みなさま揃いましたね。

では、行きましょう」



ムルを先頭にみんなで歩くけど…終始無言。

あのミズキでさえも一言も言葉を口にしなかった。



けど…私はどうしてもみんなに話したいことがあったんだ。



それは、ユウのこと。

もしかしたら、だし、違うと信じたいけど…ユウは入ってはいけない倉庫に入ってたんだもん。



「ねえ、みんな…」


私の言葉に、いっせいにみんなが私を見る。

うっ…言いづらい、とても言いづらい。


けど…言わなきゃ!



「あの、寮の倉庫にユウが入って行ったのを見ちゃったの。

誰か…理由、知らない?」



私の言葉に、獣剣学園のみんなは不思議そうな顔をしたけど、その人たち以外は驚いた顔つきになった。



けど、ムルだけは微笑みを浮かべた。



「それなら、ユウ様は理事長に頼まれて入ったのでございます。

ユウ様のお家はあの倉庫を管理するのに深く関わっており、

彼も一人息子として関わっているのです」



…ってことは、私の勘違い?



う、嬉しいんだけど…ひどい勘違いしてたよね。