「…なんでも、ない」

「本当かよ」


「ん」


私がうなずくと、セイヤはホッとした顔で、けどまだなんか認めてないような複雑な表情で前を向いた。


花火はクライマックスと化していた。



一気に打ち上げられる大きな花火。


ド派手な音楽。




……祭りが、終わる。


けど、これは一般民が参加できる祭りが終わる、ということ。




まだ、祭りは終わってない。





……私たちは、



戦うことになるのかな。






最後に打ち上げられたとてもでっかい花火と共に




異世界の人々は、大きな歓声を上げた。







…けど、そんな騒音も聞こえなかった。


時が止まった気がした。




手のひらの温もりは移動して



体全体を優しく包まれていた。






「…なにかあったら、言えよ」





「…ありがと」






セイヤの肩越しに藍空に輝く星を見て、切なくなる。



見えたアンドロメダ座のそばには




ペルセウス座がいるの。






夜月のことは好きだけど、セイヤとは違う。









『運命の相手』ってなんだろう。



私の運命の相手は



運命に作られてしまったのかな。