君と星空の彼方

私は間違ってなかったのかな。


夜月を前に進ませて…良かったのかな。



「ホシノ。

ありがとう…俺、ホシノに言われたけど…多分、絶対ゆりを忘れないと思う」


「うん、夜月がそう思うなら、きっと忘れないよ」


「ゆりの記憶がなくならなくても、あの後ずっと付き合ってたかはわからない。
ただゆりと会えないって分かった時はただ苦しかった。


その苦しさが、変な感情も巻き込んで…


自分から前に進むことをきっと拒否したんだな」


夜月は顔を少し赤くしながら笑った。


「恥ずかしいけど…俺って単純だし。

けど、ゆりは忘れないよ。

ゆりと付き合っていたあの頃は…今でもキラキラして輝きを放ってて、

周りに星でも光でも浮かんでいそうな、宝物な思い出だ」



夜月はそう言うと、一歩踏みしめた。


あと一歩ぐらいで、中に入れる。



「……この中に入ったら、一歩進めるかな。


ゆりのことにも、今までのしがらみにもとらわれないで……」



そう独り言のように呟く。


「『思い出して』って、そう言いたい。

でも思い出してくれなかったとしても…


今までの進まなかった自分と別れて、新たに…『ゆり』という人と出会えて、


何かが始まる気がするんだ」




そう呟くと


夜月は中へ入っていった。




私はなぜか出てきた涙を手で拭って、


夜月の後を追った。






部屋に入った私たちを



美しい彼女は、少し微笑みながら迎え入れてくれた。





「紅茶しかないけれど」



そう、言った…