君と星空の彼方

「…まるで有無を言わせないような言い方ね。

まぁ、入れないと殺されるかもしれないし。



いいわ、入ってよ…もう家は知ってるのでしょう?」



彼女は怪しげに微笑むと、顎で近くのドアをさした。


そのドアはとても古びた、鉄製のドア。



セイヤは無言で頷くと、指をパチンをならした。



今、気付いた…セイヤの目が赤くなってる。

ということは、さっきは力でゆりさんの動きを押さえつけてたんだ。


ゆりさんは体が自由になったらしく、すくっと立ち上がったけど…全く逃げようとしなかった。


鉄製にドアをギィィ…っと嫌な音を出して開けると、先に入って行く。



その後をセイヤが行き、ミズキが涙をこらえるような表情で入って行く。

私も続いて行こうとしたところで、全く動こうとしない夜月に気が付いた。



「…ホシノ、知ってたんだな。

ゆりのことも…今日、ここに来ようとしてたことも」

「……うん」



「…………俺、会いたくないや。

だってゆりのあの目…見ただろ?


俺らを初対面と心から思っている目。

そして、敵と認識している目だった」



「……うん」



「認めたくないんだよ。

ゆりが俺のこと、忘れてるってこと。


認めたくなかった、のに……

認めたら俺が…嫌でも受け入れ……」



夜月は唇を噛んで、言葉を発するのをやめた。


『嫌でも受け入れてしまいそうで』



そのことを夜月は恐れていたのかな。


ずっと大好きだった人が自分を忘れてると認めたら…自分までもが相手のことを好きという気持ちが薄れてしまいそうで、こわかったのかな。