君と星空の彼方

そこでやっとセイヤは微笑んだ。


けど、なにも感じてないような。


ただただ表情筋を動かしただけ、そんな感じ。



「私は…私は幻獣使いなんかじゃない!


お母さんもお父さんも普通の人なんだから…」


そう言ってからすぐに後悔した。


お父さんのことは知らないし、お母さんの後ろ姿を…明らかに幻獣に乗ったお母さんの後ろ姿を、見てしまった…


つまり、私は両親が『常人』なんていう証拠を持っていない。




「…俺の母さんも父さんも幻獣の一族の者だった。


力は弱かったから、管理下にいなきゃいけなくってキナリに住んでいた。


そこで俺が生まれた。


幻獣の力ってのは普通、産まれて5年ぐらいで星の一族と違って、

自然と身体能力や常人には見られない力が出てくる。


けど…俺は赤目なだけで、覚醒も、身体能力も上がらなかった」



セイヤはそこで一息つくと、一気に言い切った。



「俺は家から見放され、2度と両親を見ることはできなくなった」



セイヤのその言葉は、ロボットが言ってるようで。

棒読みではないけれど、なんの思いもない感じ。



セイヤの今までの苦しみは、ゆりさんのことだけじゃなかったんだ。



5歳の少年が親から見放される。それは…少年が死ぬ、という確率も少なくはないんだ。