君と星空の彼方

「もしかしてセイヤは…ゆりさんのこと…」



私がそこまで言うと、セイヤはバンッ‼︎と思いっきり壁を殴った。


うつむいてるから表情は分からないけど…

セイヤの全ての感情が一気に壁にぶち当たった気がした。


「それ以上…言うな」


顔を上げて私を見るセイヤは…

確かに、私を見ていた。


セイヤの綺麗な目が、私を捉えていた。



途端目頭が熱くなった。

私なんかが泣く義理も理由もないけど、セイヤの気持ちは…


どんなに苦しかっただろう。


自分が大好きだった相手が親友の彼女になって、2人は公認されたようなお似合いカップルで。

目の前で見せつけられるような気さえしただろう。



「…ゆりがな、昔言ったんだよ。

『セイヤは笑った方がかっこいいし、私も嬉しくなる』って。

そんなこと言われたの初めてで。

その時から俺は、ゆりを目で追うようになった」


セイヤは思い出すようにそう言うと、少し微笑んだ。


「バカだよな。自分がつかもうとすればゆりはすぐそこにいたのに。

夜月に取られた気がして、やっきになって…」


壁から手がスルリと落ちて、セイヤの手は元の状態に戻った。

その手は赤くって、とても痛そうで…