君と星空の彼方

また『ゆり』…?


私は抱きしめられながらも意識は何処か別の所にあって。

今の状況を簡単に飲み込めなかった。


なんで私、夜月に抱きしめられてるんだろう?

その前に、なんで押し倒された?



答えは不思議なほど、すっと出た。



夜月は私を『ゆり』という人と勘違いしているから。

セイヤの口から出た『ゆり』や、峯浦先生が言っていた『ゆり』と同一人物の人と勘違いしているから。


決して、私なんかじゃ…なくって。



「……夜月、私はっ…」


「ゆり、会いたかった…ゆりがいなくなったあの日から…ずっと……」



訂正しようとした声も、夜月の声に掻き消された。


『ゆりがいなくなったあの日から』?


ちょっと待って。確かに峯浦先生は『いる』って…それは『いた』ってこと?



けど今はそんなこと考えてる暇はなかった。

今は……今は……


自分を、ホシノという存在を忘れるのが、大人の対応ってもんかな?


大人ぶって微笑んで、私は夜月に言った。



「今日だけ特別だから…」


私は夜月の背中に手を回す。