「いや!そんなことねえよ!

俺だってこの能力を授かって1年以上経つけど
未だ謎多しだから。

能力って、大抵そんなもんよ?安心しろよ!」


「……うん!」



雄也君みたいな人って、素敵だと思う。


何が素敵って…人を笑顔にできる、人に安心感を与えられる所?

それはきっと生まれながらの性格ってのもあるだろうけど、相手の心をちゃんと理解してたりしないとできないよね。

そうゆう人って尊敬するなぁ…


私は相手の心を考えずにズバズバ言っちゃう時も多いし、素直になれない時もあるし…


って、なんか私の性格って最悪じゃない?



なんだか自分への自身が一気に無くなったと同時に、それ知らぬ雄也君が元気な声で次に進める。


「よし、次が1番大事!

……夜月が熱を出しちゃったんだ。


今はもう放課後だし…看病してあげたらどうかな?」



「え…夜月が⁉︎って、もしかして雄也君…」


ちょっと私はオロオロしかけてるというのに、雄也君は満面の笑み…どちらかと言えばいたずらっ子のようにニコニコしていた。



「俺、情報がなんか回ってきちゃう体質でさ?

夜月との関係も…知っちゃった♪」



無邪気に笑う雄也君。

私は顔がちょっと熱くなってきた…


恥ずかしいって。運命とかなんだとか、そうゆうの。



「あ、照れないでいいよ?


ウチの学園では2組目なわけだし…」



え?

あ、あぁ…1組目って、片割れだけどイリヤ先輩のことか。


有名、なのかな。


ちょっと浮かない顔を浮かべた私に雄也君は、

「気にしない気にしない!いってらっしゃい!」

と言って私の背中を押してきた。