君と星空の彼方

「ホシノ〜!もう8時前だよぉ!

そろそろ行かなきゃ〜!」


「はーい!今行くー!」


部屋を出て、歩きながら寮の1階へ。

階段を降りていると、昨日のことを嫌でも思い出す…早く忘れろ、私!


その矢先だった。


「あ!夜月にセイヤ!おはよ〜」


…今日の運勢は最悪だ。


「おはよ、ミズキに室月」

「…はよ」


今は私、どちらとも会いたくないのに…!

夜月はなんか気まずいし、セイヤは昨日の1件が頭から離れないし!


しかもなぜか成り行きで4人で登校することになってるし!


「……熱は下がった?」


「!なっ…!」


意地悪くそっと耳打ちしてきたセイヤにまたドキドキしてしまう。


バカ…‼︎

いや、バカだけじゃ済まされないことをあんたはしたんだー!




心の中で叫びながら私はささっと位置取りをする。


私は1番はじっこ、ミズキの隣。

ミズキのもう片方の隣が夜月、そしてセイヤと続く。


2人とは変な空気になりたくないもんね。


位置関係のせいで喋らないだけってことで勘違いして欲しい。


決して避けてるなんて思われないようにするんだ。



「でさぁ、ホシノ…って今の聞いてたぁ?」

「へっ⁉︎あ、もちろん!クマが美味しいシャケを大量に取ったんだよね‼︎」


私がそう言うと、ミズキと夜月がブっと吹き出して、セイヤは苦笑する。


あぁ…なんかやらかしちゃった感。

ぼーっと聞いてる限り、そうとしか聞こえなかったんだけど。



「はー…おかしいなぁ、ホシノは。

違うよ、幻獣にはクマみたいなのもいるんだって話。

そんなに今日のシャケが忘れられないの?」


「うんっ!絶対あれは忘れられない!」


けど、私の頭の中でクマという耳に入ってきた単語は、シャケとセットで理解してたのね…?



自分の食欲に呆れる。




そんなこんなしているうちにあっという間にモン・サン・ミッシェルならぬ学園が目の前に。


まだ歩いて5分も経ってないし、やっぱりすごい近い。