君と星空の彼方

妙な苛立ちを覚える。



そんなことを考えている間にも、夜月とキマイラの戦闘は続いていた。

攻撃をして、かわして、受けて、流して。


けど、全てが無音だった。

聞こえてくるのはキマイラの荒い息と、お互いの足音だけ。


金属音も何もなし。どうしてだろう…?



「くっ…‼︎」


キマイラの長く鋭い爪が、夜月の腕にかすめる。

いくら能力があっても、人間と獣の差。

キマイラなら耐えられる傷も、人間は多量の血を流し苦しんでしまう…!



夜月…!がんばって!


左腕がかすったらしく、赤い線ができていた。



「……夜月、下がって」


そして…イリヤ先輩が、キマイラの前に立ちはだかった。