君と星空の彼方

ぎゅっと目を閉じて、両手を合わせて祈る。



空気が和んだ今でも、全く、皆無と言ってもいい程状況は分からないけどね!

みんなは私のことを守るって言ってくれた。
けど、



自分の身は自分で守らなきゃいけないんだ!



「来たっ‼︎」


イリヤ先輩の尋常じゃない声に

私は手を離し、目を開ける。



……って、え?



私はつい固まってしまった。

そして、ワンテンポ遅れて恐怖が私を襲ってくる。


目の前の生き物は、見たことがある……本で。

私みたいな神話好きだったら、誰でもっていう程知ってる。


「『キマイラ』…?」


ギリシャ神話に登場する

神獣であり、幻獣の『キマイラ』


キマイラは顔が獅子、胴体は山羊、尻尾が蛇…という獣。

口からは火をはいて、すっごい怪力で、足はとてつもなく速い…


昔本に書いてあったその言葉は


今の目の前にいる怪物と全くと言っていい程同じだった。


火をはくとか、怪力なのかとか足の速さは分からないけど…


ライオンの頭に、白い胴体に、蛇がついてる尻尾…



怪物は、グルル…と呻くと、息をはいた。



いや…息ではなく、火を。