君と星空の彼方

「それはこの学園で働く事務員が作ってるのさ。

ムルさんもこの学園の事務員なんだけどね。

転入生であるホシノさんの世話係になったらしく、今は君のそばにいるらしい」


やっぱりムルは事務員だったんだ。

広報部とか執務とか言ってたもんね。


「この学園には事務員が結構いるんだ。

大体がここの卒業生だしね」

「えぇっ⁉︎
ってことは、つまり……」

「ムルさんは昔、かなり優秀な人だったって噂が流れてるよ。


けど……」


けど、と言いかけてイリヤ先輩はハッとした顔つきになる。




「あ、ごめんね。

けどムルさんは…詳しく言えないけど、普通じゃないところもあるんだ。



それをちゃんと受け入れて接して」



イリヤ先輩に心配されるって…

ムル、昔なにかあったのかな?


というか…まぁつまり…すごい人だったのか。


散々色々口喧嘩したし、呼び捨てだったし…なんか、ごめん。



でもお互い様だよね⁉︎ムルも結構私に毒はいたよね⁉︎



「事務員として働きながらも、シェフと兼用する人もいるんだよ。

かなり優秀な腕らしい…これを味わえば分かるだろう?」


「はい、とても思います!」


けど…この学園、やっぱり怖い……!

普通、学校はこんな凄腕シェフを取りません!


「あ!そういえば先輩たちって幼なじみなんですよね?」


「あぁ…そうだね。この学園、大体の生徒の家系が星の一族人の子なんだ。

けど稀に、突然普通の子が能力者になることがあってね。

それが僕とマナミだよ」


へぇ…じゃあ2人の先輩は私と同じってことかぁ。


普通の人から突然…って形。




「僕等の家はもちろん普通の家。

ある日マナミと公園に行ってたらここの職員にあってね。

君たちから能力の気を感じるって言って、いつの間にかこうなってた。

そんなわけで能力者の常識とか全く知らなかった。

突然常人からの能力者が生まれた場合、

その子は地球にいる周りの人に能力のことを言わないよう寮に入れられるらしい。

きっと僕もマナミも、しばらく家族には会えないよ…」




イリヤ先輩の悲しそうな笑顔。

もう少なくとも3年は会ってないってこと…?




「…ホシノさんも、家族と会えなくて辛くなるかもだけど、

寮は暖かいしみんな優しいから、いつでも僕らに頼ってね」

イリヤ先輩…


優しい、優しすぎる…

けどイリヤ先輩…私の母はどっか旅に行きました…しかも謎をたくさん置いて。



相談したいけど、娘を異風な学園に預けさせてどっか旅に行った母の話はしたくない!