相変わらずの私の早着替えを使い、一瞬で制服に着替える。

ドアを開けるとムルがピシッと姿勢良く立っていた。


…完璧なのだろうな、ここで働いてる人としては。



「ホシノ様。今から寮生の方達歓迎パーティーを開かれるそうなので、ここへお迎えに参りました」

あ、そういうこと。

今日は休みの日って聞いてたし、なんでムルに呼ばれたかはある意味疑問だったけどそうゆうこと。


「…素直に言って嬉しいや」

「それは良かったですね」


ムルの後を歩き続けて、3階へ行く。

3階は…多分、生徒の部屋はないのだろう。

扉も稀にしかなくって、きっと大部屋とかがあるんだと思う。


2つの扉を通り越して3つ目の扉に差し掛かると、ムルが止まった。


「ここが、会場らしいです」


ムルが手を横にして扉をさす。

今までこの学園で見てきた扉の中では結構質素だった。
木材とかそうゆうのに詳しくないけど、良い木材は使ってそう…なんか触ったらさらさらしてるし…つやつや輝いてる気がするし…

「えーっと、開けたいのですが」

「あ、ごめん!」

ドアを触っていると、ムルがおずおずと言ってきた。

こんなムル新鮮…じゃなくて。

いつも私にバシバシ言ってくるムルがこんな低姿勢ってことは…


「あ…ひかないでね?」

「ひいてなど…おり、ません」

言葉を濁さないで⁉︎

確かに急にドア触って「おー」とか呟いてたら変人だけども、傷つくから!

鋼鉄のハートって友達に言われた私のハートもぐにゃりってなっちゃいそうだから!