彼がそう言うと、ロワはまた彼の方に戻って行く。 やっぱり、飼い主さんが一番なのだろう。 「じゃあ私、これで」 あまり長居してもいけない、と立ち去ろうとする。 しかし、それを遮るように、ロワがまた足に絡みつく。 「お礼にはならないかもしれないけど、よかったらお茶の一杯くらい飲んで行くかい?ロワもそう言ってることだし、ね」 イケメンにニコリと微笑まれ、大好きな猫ちゃんにも絡みつかれてしまっては、断れるわけも無い。 「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」 私は大きな家へと足を踏み入れた。