そこにいたのは― 「入谷くん!」 私のクラスメイトである、入谷 佑真くんだった。 「学校以外で会うなんて初めてだね。ジャージだけど、もしかして今日も部活あったの?」 「お、おう」 入谷くんはバスケ部のエースだ。 それなりの強豪であるうちのバスケ部は練習もキツいらしく、休みなんて数えるくらいしかない、と誰かが言っていたのを思い出す。 「…ところで、なんで宮園がここにいんだ?」 入谷くんが不思議そうに問いかけてくる。