未来から桜を届けに

だから、図書館の帰りは必ず寄る。

ま、今はそれよりも図書館だ!

その時私はある事に気付く。

「猫?」

道路に猫が横たわっていた。

真っ白で綺麗な猫。

幸い車は来ていないみたいだった。

私はしゃがんで、猫を抱き上げる。

怪我はしてるが、そこまで酷くはない。

もしかしたらまだ助かるかも!

私がそう思った時だった。

ププー

「え?」

振り返って見た物は、凄い勢いで突っ込んでくるトラックだった。

ドンッ

「っ!!」

一瞬だった。

私は凄い衝撃を受け浮遊する。

『未来!』

葵と菫の声が聞こえる。

が、最後私が見たのは葵でも菫でもなかった。

児童公園の桜が満開に咲いているところだった。

私はそのまま意識を失った。