「僕は、恋仲なんて作らないから。」

顔はニコニコしてるけど、声は強かった。

何か、どこかで諦めてる沖田さんの顔を見て胸がドクン、となる。

今日の私は、何か変だ。

「とりあえず、僕は戻るから。」

沖田さんは、強引に話を終わらせ、歩いていく。

い、良いのかな?

部屋につくと、沖田さんは私を下ろし、ボーっとする。

何を考えてるのかは、分からない。

ただ、悲しそうな顔だった。

私はそばに居ても、どうすることもできない。

ズキン

「?」

得体の知らない痛みが、胸にはしる。

これは何?

凄く.....苦しい。

「雪桜?」

沖田さんの心配そうな声が聞こえる。

いつの間にか、私を抱き上げた沖田さんの顔が目の前にある。

「雪桜?」

もう一度沖田さんが私を呼ぶ。

私は何を思ったのか、無意識に沖田さんの頬をなめた。

ビックリしたような沖田さんの顔。