未来から桜を届けに

「真っ白の雌猫で、金色の首輪をしています。」

微妙に合ってる。

でも、大抵の人はここで”この猫ですか?”と言って私を渡すよね?

嫌だよ、そんなの………。

ただでさえ、知らない町や知らない人だらけのこの時代で、沖田さんと別れるなんて。

「そうですか………。」

ドクンッドクンッ

沖田さんの次にくる言葉が怖い。

「ごめんなさい、そんな猫見てないですよ。」

.....え?

予想と全然違った言葉

私は驚きが隠せなかった。

「そうですか...お手数をおかけしてすみません。」

その人は、ペコリとお辞儀をすると去って行った.

「ふぅ。」

沖田さんは、ため息をつくと私を下ろす。

よ、よかったぁ~

私は、沖田さんそっちのけで、自分の世界に入っていた。

だからか、

「まさか、雪桜の事じゃないですよね?」

沖田さんが、さっきの人が去って行った方向を見てポツリとつぶやいた言葉は、私には聞こえかった。