いつも以上にざわめく放課後。 6限の授業を潰して、遼のお別れ会が開かれた。 たった1時間のお別れ会だけでみんなが満足するわけもなく、熱気と余韻が残る教室。 職員室に向かった遼を追うように一人……また一人と教室を出る。 「美紅? 大丈夫?」 柚奈がわたしのホッペをつまむ。 「いひゃい……」 「顔が固すぎるよ!」 「だって……」 初めてのことに緊張がほぐれない。 いろいろ考えてきたはずなのに、頭の中が真っ白。