「つーかさ」


「?」


泣き出した璃乃を慰めていて、ひとつ思い出したことがある。




「お前、今日学校だよな」


「あ!!?」


あ、やっぱ忘れてたんだな、こいつ。


俺は謹慎中だし、関係ないけどな。

璃乃はぶっ倒れてたから時間の感覚おかしいのか。


カーテンかけっぱで部屋ん中暗いし。


璃乃は俺の胸に預けていた頭をバッと起こして慌て始めた。


「いっ、今何時?」


「さぁ、わからんけど昼近くじゃねぇか?」



ケータイで確認すると、11:32と表示されている。

それを璃乃に見せてやると、目を丸くする。


ほんと見てて飽きないな璃乃の表情は。


「えっ、えっ、私、無断欠席?」


「まぁそうだろうなぁ」


別に俺なんか何度もしたことあるし、大したことじゃないと思うんだけど。


こいつは見るからに優等生、ってな感じでやってそうだしな。


……いいこと思い付いた。