「ばかじゃん」 可愛いなほんとに。 なんだこいつ。 俺は左手を出して璃乃の右手を握った。 「これでいいか?」 「ぎゃ、くに大丈夫じゃないかも…」 「は?意味わかんねぇ」 と、その時だった。 微かに人の声がした気がした。 葉の間から、向こう側を見ると、人が二人歩いてきているのが見えた。 「来たな」 璃乃も自分の親友の姿が暗闇に見えたのか、ごく、と喉をならした。 「準備はいいな」 「うんっ」