白い月~夜明け前のその空に~



そして、逆にそんな彼の腕を掴むように呼び止めた小柳栞の声。





突然舞い込んだ夏の名残り風は、いつもどこか遠くを見る、陸の眼差しの向こうまで吹き荒らすのだった。