「……ゆづ。起きてたんだ?」
「うん……」
目が覚めたらしい陸はゆっくり体を起こすと、服を羽織り窓際にいる優月の隣に来る。
「あ、月出てるね。……今は遅い時間に昇ってくるんだな」
「ねぇ、こんな風に夜更かしして、月見た日のこと、覚えてる?」
「ああ。覚えてるよ。……何で月って白いんだろうって、一緒に考えたんだよな。影絵に出てくる月も、こんな感じなのかなって」
「そうそう。最後の場面でね。…で、結局、何でなんだっけ?」
隣に並んだ陸に顔を向ける。
「えっと…、なんだっけな、忘れたな。ははははっ」
「小さい時だったもんね。……影絵懐かしいなぁ」
小さく微笑み同じ月を眺めながら、二人は思いを馳せる。
幼い頃、近所の図書館で行われていた影絵の鑑賞会。
二人はよく見に訪れていたが、中でもお気に入りの物語があった。
周囲にも好評で、何度も公開してくれていた物語だ。



