優月は初めて知る出来事一つ一つを、彼の隣でじっと耳を傾ける。
握られた手から伝わる陸の体温は、少し冷たかった。
一呼吸置いて、陸は再び続ける。
「……打ち明けられた衝撃は確かに大きかったけど、自分の中での答えは一つしかなかった。……産んでほしいって。産んで、三人でみんなで家族になろうって。その事しかなかった。
そう言ったらみなみは、泣きながら笑ってた。
でも、自分達が思っている以上に周りの目は厳しくて。
なかなか出産には賛成してもらえなかった。
信じらんねぇかもしんないけど、本気で駆け落ちしようとして、じーちゃんに見つかって連れ戻されたんだ。
あん時はそうとう叱られたよ。
『みなみちゃんとお腹の子に、もしものことがあったらどうすんだって。十代そこらのお前一人に何ができんだって』
でも、まあ、その事がきっかけで、みなみの親も認めてくれたんだけどな。



