白い月~夜明け前のその空に~



「……あんたも嘘つきじゃん」


「へへへへ、違うよ。本当は佐野ちゃんと一緒に帰りたかったから、戻ってきたんだよねー」


惜し気もなく素直な気持ちを言ってのけてしまう彼に、相変わらず脱帽するばかり。


「少し、話聞いてくれる?……まだ、帰りたくないんだよね」



長澤の屈託のない笑顔に、これ以上強がることはできなかった。

どんな嘘をついたとしても、きっと見透かされてしまいそうで……。


その度に、本当の自分の気持ちにも気づいてしまうから。




『いいぜ』と即答した長澤は先ほどの席に横向きに座り、優月の言葉を待った。


「……私、陸の家に住んでるでしょ。本当に助けられてる。感謝してる。でも、本当の家族じゃ、ないんだよね。当たり前なんだけどさ。……なりたいって思ったりもするよ。でもね、やっぱ不安で。あの家に自分はいちゃいけないんじゃないかって……」


長澤の視線を感じないためか、思ったより緊張せず独り言のように優月は話した。