白い月~夜明け前のその空に~






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黙々と手際よく皿を洗っていく陸。

その隣からはオーダーを受ける声や、出来上がった料理を知らせる声がせわしくなくが飛び交う。





細々と営みながら、地元の住人に長年愛される町中の洋食屋さん。

陸が高校生になってから働きだしたアルバイト先だ。


今では調理場も接客も器用にこなし、新人の教育にも信用されるまでになった。





「河野さん、どうしたの?」


カウンター前でそわそわしている、接客担当の従業員が視界に入りすかさず声をかけた。


「あ、えっと、その……。オーダー取ったんですけど、何番テーブルの方か、わからなくなっちゃって」


「番号書くの忘れたんだな」


「はい……。その後立て続けにオーダー受けてたんで、焦ってどれがどの席の方……か。すみません……」


今にも泣きだしそうに声を震わせる彼女は、先日入ったばかりの高校1年生。

まだまだ研修中の真っただ中で、ミスもやむを得ないだろうと、陸は寛容に受け止めていた。