白い月~夜明け前のその空に~






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「……くまさんも眠たくなったみたいです。すやすや、すやすや。おやすみなさい」




陸が免許の試験が近いため、今晩は優月が代わりに絵本を読んでいた。




「瞬ちゃん、これは何だっけ?」


抱っこしながら瞬に絵本を見せ、ページに描かれたある動物を指差す。


「これぇ!わんわんだよ!」


「せーかい!わんわん瞬ちゃん好きだもんね」


「うんっ。らっきいね、このまえいたぁ。らっきい、かあわいい」


「可愛いよね。また会えるといいねぇ」


「いるかなあ」


「いるよ~、会ったらいい子いい子しようね。……次のページいくよ?」



瞬が何度も口にするらっきいとは、近所で飼われている、トイプードルのラッキーだ。

とても人懐っこく大人しい犬で、散歩の途中で会うと、ずっとラッキーを触って離れない程とても大好きだ。



飼い主である老夫婦もとても親切で、たまに散歩をご一緒することも。