白い月~夜明け前のその空に~



「マジでゆづと長澤付き合って…」


「ないから!そこは本当にないからっ」


きっぱり断言しながら、近づく里乃を押しやった。


「だよねぇ~。ありえないか。でもお似合いだと思うんだけどね…」


少ししょんぼりした里乃に、頑丈な鍵で閉じ込めたあの秘密がガタッと揺れた。



「ゆづは今好きな人、いないの?」


「…えっ」


しまったと優月は思った。

今まで自分の恋を隠し通してきたはずなのに、うかつにもこんな時にブレかける。



「あ!その反応!怪しい…。いるんでしょ?白状せい!」


ど定番であるくすぐり攻撃を食らわされながら、どうにかその場は乗り切った優月だが、『好きな人がいる』という疑惑は里乃から取りきれなかった。






そのことが引き金で一人の時、それが授業中であっても、彼女の表情は暗いばかりかどんどん青ざめていった。