「…そっか、ゆづとケンカしたんだ?」
「本当にしょうもないことなんですけどね。メール送ったのが送れてなくて、俺それに全然気づかなくて佐野が拗ねちゃったんです。もちろん、すぐ直接謝ったんですけど、まだ口もきいてくれなくて…」
「なるほどね。あいつ結構頑固だからなぁ……。ゴクッ…、それで?」
ジュースを一口飲んだ後、陸は彼に問う。
「はい?」
「さっき言ってたよね、ゆづが嘘をついていくなんて、よっぽどのことがあったんじゃないかって」
「はい…」
「よっぽどのことって、そのケンカのことだけじゃないと思うけど?…長澤君、何か知ってるんじゃないの?」
「あ、えっと…」
まさかの陸の追求に、せっかくのニセカップルで培った彼氏のふりが途端にぶれそうになる。
長澤の敵意を向けた発言と眼差し。
どうしてもケンカの理由と辻褄が合わない。



