「あいつにだって、隠したいことあんのかもしんねーじゃん…」
そうぼそりと呟いた長澤を凝視する里乃。
「そうかもしれないけど…、でも何でそんなこと」
「いたこと隠してたのか、いるって嘘ついてるのか、わかんねーけど」
優月に彼氏がいる、ということを今初めて知ったような三人の会話を聞いて、陸は怪訝に思った。
(…友達に言ってなかったのか?)
「もし、仮にゆづに彼氏いたら、長澤はそれでいいの?」
「…よくねーよ。それより、どっちかに嘘ついてることになるよな」
「そうだよ!陸お兄さんはどう思います?家族として、ゆづが嘘ついてるって思います?」
里乃は本題に戻ると、台に手をつきながら必死な顔で陸に問い詰める。
「う…ん、そうだなぁ。前に彼氏から借りたっていうハンカチ持ってたからな。作り話には思えないけど…」
初めて彼女の口から彼氏がいることを聞いたことや、帰宅が遅くなった彼女を迎えに行こうとして、偶然目撃してしまったキスの光景を陸は思い出していた。



